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EUにハブられるハンガリー?!ハンガリーでいま、なにが起こっているのか【LGBT】

EUROPE

かつてソ連の影響下にもなっていた東欧の国、ハンガリー。

そんな国はいま、EUからハブられる事態に直面しています。

オランダのルッテ首相は、次のように述べています。

反LGBT法のあるハンガリーにEUの居場所はない。

一体、なにが起こっているのでしょうか?

ハンガリーでいま、なにが起こっているのか?

ハンガリーの法律が物議を醸している

法律は、有罪判決を受けた小児性愛者に対する罰を強化するためにつくられたものでした。

しかし、それと関連性が高いとは言えない、18歳未満の同性愛の描写を禁止する改正案が6月15日に可決されたのです。

これによって、ハンガリー国内の性教育や広告に多大な影響を与えることになるでしょう。

例えば、学校での性教育の指導は政府によって承認された人しか行うことができません。

一方、ハンガリーの首相であるオルバーン氏は、以下のように述べ、法律の誤解を主張しています。

これは同性愛に反する法律ではない。子どもと親の権利に関する法律だ。

世界的に有名になったきっかけ

この問題は、UEFA(欧州サッカー連盟)が、ある要求を断ったことで、世界的に話題になりました。

その要求とは、UEFAが主催するEURO2020という大会で、ハンガリーとドイツが対戦した日のことです。ドイツのミュンヘン市から、「LGBTの象徴である虹色でスタジアムを照らせないか」という要求をしたのです。

UEFAは断った理由に関して、「それは政治的な問題であり、我々は政治的および宗教的に中立な組織である」と、面倒事に関わりたくない姿勢をあらわにしています。

上の動画は、FIFAがその要求に断ったことや、ハンガリーの反LGBT法案に対する抗議として、LGBTのレインボーフラッグを掲げに来た不法侵入者です。

スタジアムでは、彼に対して盛大な拍手が送られました。

EU諸国のトップはどんな反応をしたのか

オランダ

オランダの首相は、以下のことを誓約する書簡に署名しました。

LGBTIコミュニティの差別との戦いを続け、彼らの基本的権利の擁護を再確認する。

この書簡はハンガリーを特定するものではありませんが、13のEU加盟国が以前に、ハンガリーの新法について「重大な懸念」を表明する共同声明を発表していたため、ハンガリーに向けての書簡である可能性が高いでしょう。

ルクセンブルク

また、同性愛者と公言しているルクセンブルクのグザヴィエ・ベッテル首相は以下のように述べています。

同性愛と小児性愛を法律の範囲内で混同するのは間違っていると、オルバーン氏(ハンガリー首相)に話しておく。

ベルギー

ベルギーのアレクサンダー・デ・クルー首相は、襟にレインボーバッジを付けて、ハンガリーの法律は後退していると述べました。

彼ら(オルバーン氏ら)は行き過ぎだ。LGBTを差別し、彼らの敵を黙らせている。

フランス

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、「この法律は、私たちの価値観に沿っていないように思われる」と述べています。

ドイツ

ドイツアンゲラ・メルケル首相は、この法律を「間違っている」と非難しています。

ドイツの国防相も務めたことのある、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ハンガリーに対して訴訟が開始されることを明らかにしました。