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【F1】タイヤコンパウンドの種類とその特徴を紹介

FORMULA 1

ピレリから供給を受けるタイヤにはいくつか種類があります。

今回は、どのようなタイヤが使われていて、それぞれどのような効果を持ったタイヤなのか解説します。

タイヤコンパウンドの種類

What tyres will the F1 teams and drivers have for the 2020 Austrian Grand Prix? | Formula 1®

一つのグランプリで使われるタイヤコンパウンドは、ウェット用も含めると、全部で5種類です。

ドライ用タイヤは全部で5種類あるのですが、一つのグランプリではそのうちの3種類を使います。ややこしくなるので、これに関しては後ほど紹介します。

ソフトタイヤ(ドライ用)

赤色の一番柔らかいタイヤです。

タイヤライフが短い代わりに、グリップ力が強く、速く走ることができます

そのため、予選では必ず使われるタイヤです。使うかどうかはチームの任意ですが、一番速く走れるタイヤなので、使わないチームはいません。

ソフトタイヤを雨上がりの路面で使うと、すぐタイヤが傷んでしまうのだとか。

ミディアムタイヤ(ドライ用)

黄色のタイヤです。ソフトタイヤの次に柔らかいタイヤです。

バランスが良い代わりに、突出した性能もありません。

ミディアムタイヤはライバルに戦略を読まれにくいので、レースで重宝されるタイヤです。

ハードタイヤ(ドライ用)

白色の一番硬いタイヤです。

グリップが少ない代わりに、耐久性に優れます

予選ではまず見かけることのないタイヤでしょう。※例外はあります

寒いトラックでのレースでは、ハードタイヤは中々グリップしません。なぜなら、タイヤの適正温度が高く、その温度まで上げるのに苦労するからです。

反対に、陽炎ができるような真夏のレースでは、オーバーヒートしにくい、パンクのリスクが減るなど、良いところもあります。

インターミディエイト(ウェット用)

緑色の浅溝タイヤです。

路面がわずかに濡れている状況で機能します。

レースの途中で雨が降ってきたときなどは、まずこのインターミディエイトタイヤに交換します。

フルウェット(ウェット用)

青色の深溝タイヤです。

マシンが水しぶきを上げるような、水だらけの状況で機能します。

正直、このタイヤが使われるときは、赤旗(レース中断)寸前なので、見る機会はあまりないです。

ドライタイヤは全部で5種類

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一番硬いC1から一番柔らかいC5までの5種類です。

グランプリでは、この中から飛ばさずに3つ選ばれます。

飛ばさずに選ぶので、C3タイヤは、どのグランプリでも選ばれることになります。

ちなみに、C3タイヤはソフト、ミディアム、ハードのどのタイヤにもなります。

Pirelli 2021 tyre compound choices

例えば、スペインGPだとC3タイヤがソフトタイヤになっていますが、次戦のモナコGPだと、C3タイヤはハードタイヤになっています。

このように、同じコンパウンドでも、グランプリによって色が変わり、呼称も変わります。

なぜグランプリごとにコンパウンドの指定を変えるのか気になった方もいるでしょう。

その理由は、安全性の他に、レース展開を面白くさせるという目的があります。

極端な例ですが、モナコGPでC1タイヤを使うと、一回もタイヤ交換せずにレースが終わってしまいます。なぜなら、モナコは低速コーナーが多く、タイヤの消耗が比較的少ないからです。

それだとレース展開が面白くないので、できるだけ1レースの間に適切なピット回数になるよう調節されます。