F1ドライバーの命を守る上で欠かせないのが、ヘルメットです。
マシンやレーシングスーツなどは、ドライバーの所属するチームのスポンサーのものを使用することになりますが、ヘルメットはドライバーが自由に選べます。
そのため、ヘルメットをみれば、そのF1ドライバーがどのヘルメットを愛用しているのか分かります。
今回は、個性あふれるF1ドライバーのヘルメットに注目してみましょう。
F1ヘルメットを供給しているメーカー
2021年現在、F1ドライバーにヘルメットを供給しているメーカーは以下の通りです。
- BELL(ベル)
- Schuberth(シューベルト)
- Arai(アライ)
- Stilo(スティーロ)
BELL(ベル)
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20人のF1ドライバーの中で最も使われているのがBELLです。BELLはアメリカで生まれた歴史あるメーカーで、70年代には多くのモータースポーツで使われていました。
供給するドライバー
- シャルル・ルクレール
- ピエール・ガスリー
- ルイス・ハミルトン
- ランド・ノリス
- フェルナンド・アロンソ
- エステバン・オコン
- キミ・ライコネン
- アントニオ・ジョビナッツィ
- ジョージ・ラッセル
- ニコラス・ラティフィ
- ニキータ・マゼピン
ベテランからルーキーまでBELLは人気がありますね。
Schuberth(シューベルト)
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ドイツの老舗ヘルメットメーカーです。かつてミハエル・シューマッハがBELLに違約金を払ってSchuberthのヘルメットをかぶったのは有名な話。彼の息子であるミックも使用しています。
供給するドライバー
- マックス・フェルスタッペン
- セルジオ・ペレス
- カルロス・サインツ
- ミック・シューマッハ
Arai(アライ)
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言わずと知れた日本の会社です。過去にはF1ドライバーの多くがAraiをかぶっていた時期もありましたが、現在はわずか3人に留まります。減少した理由は、Araiが広告宣伝より開発を重視しているからです。
供給するドライバー
- セバスチャン・ベッテル
- ダニエル・リカルド
- 角田裕毅
Stilo(スティーロ)
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日本ではまだ知名度が低いイタリアのメーカーです。創業年は1990年と、ヘルメットメーカーとしては新興ですが、WRCでは圧倒的なシェアを誇っています。
供給するドライバー
- バルテリ・ボッタス
- ランス・ストロール
F1ヘルメットの基礎知識
F1のヘルメットは、一般的にバイクやレーシングカートで使われるものとは大きく異なります。
値段は?
F1ドライバーのヘルメットは一般に販売されていません。F1ドライバーとスポンサーが年間契約を行うことによって、スポンサーが供給するという形になっているからです。
しかし、仮に値段をつけるとしたら、約50万円以上に相当します。
これだけ高価になる理由の一つとして、技術の集中が挙げられます。ヘルメットを供給する側からしたら、F1は言わば世界一安全なヘルメットをつくる場です。最先端の技術を取り入れて、市販のヘルメットにフィードバックするのが主な目的ですので。
頭を保護する以外に出来ること
F1専用のヘルメットは、ドライバーの頭を保護するだけに留まりません。ドリンクを飲むか、無線を使うためには、F1専用のヘルメットでないといけません。
ドリンク
ヘルメットにあるドリンクを飲むための仕組み自体は単純です。ドリンクが送られてくるチューブを、ヘルメットにある穴に挿入するだけです。
気になるのは、どのようにドリンクが送られてきているのかということです。わかりやすく説明すると、以下の通り。
- エンジンの回転で発電する
- 発電した電気でポンプを動かす
- ドリンクパックからチューブに汲み上げられる
- チューブを通ったドリンクはドライバーの口へ
ドリンクパックがある位置はチームによって様々です。コックピット周りにあったり、フロントノーズにあったりします。
無線
F1チームにとって無線は欠かせない存在です。そのため、ヘルメットは無線が使いやすいように作られています。
まず、ドライバーの口元に当たるバイザーの下側にはマイクがあります。そこからコードが伸び、中間にプラグを挟んで、マシンの無線システムと繋げられるようになっています。
オートバイだと、ヘルメットの外側に無線装置(B+COMなど)を装着しますが、F1は信頼性や空気抵抗の問題からそこには付けません。