何かと問題を起こしてきたロシア国籍のニキータ・マゼピンですが、彼の紹介でロシア国旗の姿が見当たりません。
一見、彼が問題を起こしたからロシア国旗が非表示になっているのかと思うかもしれませんが、実は彼のせいではありません。
今回は、なぜロシア国旗を掲げることが許されていないのかについて解説します。
ロシア国旗が姿を消したきっかけ
ロシアの国ぐるみのドーピングにより、F1を含む多くの分野の主要な国際大会で、ロシア人選手が国旗を使用することが禁止された。
上記の理由によって、マゼピンはロシア国旗と共にF1を走れないわけです。
国ぐるみのドーピングが特に問題視されていたのはロシアの陸上界です。世界反ドーピング機関(WADA)によると、組織的ドーピングが行われていたことはもちろん、薬物使用を拒否した選手は強化選手から外されることもあったそうですよ。
つまり、マゼピンはこの件に関して「何も悪くはないが、連帯責任を取らされた」ということになります。
代わりに表示されているRAFとは?
F1の国際映像をご覧になって気づいた方もいらっしゃるかと思いますが、ロシア国旗の代わりに「RAF」と記載されています。
これは、ロシア自動車連盟(Russian Automobile Federation)の略です。
マゼピンはRAFを通じてF1のライセンスが発行されていますが、ロシアのアスリートとして正式に発表することはできません。
RAFと表記したのは苦肉の策なのです。
クビアトはなぜ表示できていた?
F1に詳しい方なら、「同じロシア国籍であるクビアトはなぜロシア国旗が普通に表示されていたのだろう」と疑問を持つでしょう。
ロシア人選手が国旗を使用することに関して禁じられる期間は、2020年12月17日から2022年12月16日までとなっています。
2020年F1の最終戦が行われたのは12月13日ですので、クビアトが国旗を失った姿をみることはなかったわけですね。
まとめ
- 国ぐるみのドーピングによって、ロシア国旗は禁止された
- マゼピンは連帯責任を取らされた形
- RAFとは、ロシア自動車連盟の略
- クビアトは禁止される前に最終戦を終えていた
全く関係がない選手にまで影響が及ぶということは、それだけ「ドーピングの文化が根強いから改善しろ」ということですね。自国の旗を堂々と持って大会に臨めないのは、マゼピンに限らず、ロシアの選手全員が息苦しいでしょう。
ですから、ロシアはドーピング文化をなくして、二度とドーピングが起こらないよう再発防止に務めなくてはなりません。