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なぜUKの高速道路は優れているのか

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今日は、UKの高速道路がいかに優れているかについて話さなければなりません。いま私は日本に居ますが、日本の道路には様々な問題があります。UKも同様ですが、UKの高速道路に関してはとても上手く機能しています。なぜでしょうか?

計画的な高速道路のレイアウト

UKの高速道路は “National Highways” と呼ばれる政府所有の会社によって運営されています。主に “M roads” と “A roads” の2種類に分類されます。

  • M roads:高規格の高速道路で、主要都市間の長距離移動に使用される。歩行者や自転車の通行は制限され、信号機を含む交差点がない。
  • A roads:交通量の多い地域間の移動に使用される。道路によっては歩行者の通行を制限し、代わりに鉄道やFootpathの利用を推奨している。

その他に “B roads” があります。これは様々な道が含まれますが、一般的には田園地帯を横切る2車線の道路か、住宅から幹線道路までをつなぐ道路のことを指します。

このように、UKの道路はM/A/Bの階層構造になっています。そして、”M roads” と “A roads” はイングランドを中心に多く張り巡らされています。イングランドはほとんどが穏やかな丘陵地帯で、高速道路の建設を妨げる山脈が比較的少ないためです。UKの中でイングランドの人口密度が高いのは、その移動のしやすさが影響しています。

階層構造が利便性を向上させる

階層構造の道路が組み合わさることで、人々は静かな家で過ごしながらも、速度を出せる高速道路や大きな幹線道路に素早くアクセスすることができます。国民は時間を節約できるだけでなく、忌々しい渋滞を回避できる確率も高まります。UKはこの点で優れています。

階層構造が不可能な最悪の状況を想像してみましょう。例えば山に囲まれた土地で、既に住宅や商業施設で埋め尽くされていたとします。そこに階層構造を適用するのはとても困難です。山に高速道路を建設するには斜面の整形やトンネル掘削で多額の費用と時間を要します。最も簡単なのは、その街の真ん中を破壊して大きい幹線道路を配置することです。

環状線とラウンドアバウト

London, Birmingham, Manchesterのように、UKの主要都市には環状線の “M roads” または “A roads” があります。環状線から放射線状に高速道路が伸びているのは、時間の節約と交通渋滞の軽減を最も効果的にするためです。しかし大都市にとって、環状線だけでは慢性的な渋滞を防ぐためには不十分です。環状線のような常に需要がある高速道路では、その高速道路の入口と出口付近の道路も渋滞します。

高速道路の出入口の渋滞を軽減するには、立体交差やラウンドアバウトの建設が不可欠です。UKのインターチェンジの形は様々です。立体交差とラウンドアバウトが融合した複雑なものもあります。ラウンドアバウトはUKの至る所で見つけることができ、その数は25,000以上です。

このような交差点の工夫により、UK政府は高速道路の渋滞を出来る限り軽減しようと試みています。それにも関わらず、交通事故や道路工事のような原因によって無慈悲にも渋滞が起こることがあります。仕方がありませんが、道路のレイアウト自体の欠陥によって渋滞が引き起こされるよりはマシでしょう。

無料または格安の通行料金

UKの高速道路は一部を除いて通行にお金はかかりません。料金所があるのは主に “A roads” の橋とトンネル付近ですが、例外としてM6とM25にもあります。以下はUKにある全ての料金所です。

  • M6 Toll – West Midlands
  • M25 – Dartford River Crossing
  • A4 – Batheaston Bridge
  • A15 – Humber Bridge
  • A19 – Tyne Tunnels
  • A38 – Tamar Bridge
  • A41, A59 – Mersey Tunnels
  • A57 – Dunham Bridge
  • A3025 – Itchen Bridge
  • A533 – Mersey Gateway Bridge, Silver Jubilee Bridge

最も通行料金が高いのはM6の料金所で、£8.60(執筆時点)必要です。UKのマクドナルドではビッグマックの値段が£4.99です。ビッグマック2つ分の料金よりも少し安いですね。

UKのほとんどの高速道路が無料なのにも関わらず、M6に料金所が設けられているのには明確な理由があります。それは、M6の負担を軽減するためです。M6はLondonから続くM1から分岐し、ManchseterやLiverpoolなどの北西部の都市を接続する役割があります。Birmingham周辺のM6は大渋滞が起きていましたが、M6の有料ルートを北東の郊外に設けることで交通量を分散させています。

無料と有料のジレンマ

無料の高速道路は国民にとって移動が容易になり、企業にとっては物資の輸送費の負担が軽減され、有料の高速道路に比べて経済活動が活発になります。このため、道路の維持に当てられる予算は料金所からの直接的な収入ではなく、潜在的な税収の増加によるものです。それは前述したように、人々と物資の移動が活発になることによって引き起こされます。

無料の高速道路は人々が高速列車や飛行機に代わって高速道路の移動を選択し、自家用車による渋滞を引き起こすことが懸念されます。しかし酷い渋滞が起これば、人々はまた公共交通機関を選択するようになるでしょう。高速道路を修正してフローの許容量を増やすより、公共交通機関の利便性を高めるほうがはるかに簡単です。

 

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