日本では「寄付を募ること」という意味として定着したカンパという言葉ですが、どこから来た言葉なのでしょう?
今回は、カンパの語源と言語別の意味について解説します。
日本語のカンパの由来
日本語のカンパは、ロシア語の「кампания(カンパニア)」に由来しています。
本来の意味
日本語では単に「寄付を募る」という意味のカンパですが、本来のロシア語の意味は少し複雑です。
本来の意味は「大衆に運動を促すこと、そのための寄付を募ること」です。つまり、ただの募金と言うよりも、より政治的な活動の意味が含まれているんですね。
英語のキャンペーンについて
実は、カンパと英語のキャンペーンは関連があります。
キャンペーンの意味
ロシア語のカンパニアと英語のキャンペーンはほぼ同じ意味です。
オックスフォード辞典を見てみると、次のようになっていました。
- a series of military operations intended to achieve a particular aim.
- an organised course of action to achieve a goal.
無理やり簡潔にすると、1つ目の意味は軍事作戦、2つ目の意味は社会運動ですね。使われる頻度で言えば、圧倒的に2番目の意味です。
では、キャンペーンの語源はどこから来ているのか見てみましょう。
キャンペーンの語源
キャンペーンの語源を辿ると、ラテン語に行き着きます。語源を伝播した順に並べると、こんな感じです。
- ラテン語(campus)
- フランス語(campagne)
- 英語(campaign),ロシア語(кампания)
- 日本語(カンパ)
ラテン語からフランス語を経て、英語やロシア語に伝播した後、日本でも使われるようになったのが大まかな流れです。
そして、重要なのが言語ごとに意味が変化してきたことです。分かりやすいように言語別の意味を含めて、一覧にしました。
スペル | 意味 | |
ラテン語 | campus | 野原・広場 |
フランス語 | campagne | 軍事行動・田舎 |
英語 | campaign | 社会運動・作戦 |
ロシア語 | кампания | 社会運動・募金 |
日本語 | カンパ | 資金集め |
こうしてみると、意味が変化していく様子に納得がいきませんか?