日本では、視聴者から受信料をもらう公共放送はNHKですが、イギリスではBBCがそれにあたります。
日本国内でNHKは、好印象を持っている人が全てではなく、受信料を払うことに対して不満を募らせる人もインターネット上では多く散見されます。
同じような放送局を持つイギリスでは、どのように思われているのでしょうか?
イギリスから学べることも何かしらあるのではないかと思います。
BBCは英国民からどう思われている?
結論として、多くのイギリス国民はBBCのことを嫌っています。
その理由の大半は、年々値上げされる受信料とその強制力です。
高い受信料
イギリス国民の多くは、BBCの受信料が高いと感じています。
BBCとNHKの比較
追記:2022-1-31に訂正済み
BBC | NHK | |
年間受信料 | 24,900円 | 24,770円(衛生契約) |
支払い比率 | 94.3% | 81.2% |
受信料はBBCもNHKも同じくらいの値段ですね。ポンド/円は変動しますので、BBCの日本円表記は大体の値です。
一方で、支払い比率を見てみましょう。BBCの方が高くなっています。
なぜBBCの方が高くなっているのでしょうか?
強制徴収
強制的に受信料を支払う羽目になるのは、日英ともに同じようなものですが、イギリスの場合は日本よりも厳しく取り立てられます。
イギリスのテレビのある世帯にはもれなく、受信料を支払う義務が発生します。
もし、支払いを無視したらどうなるの?
支払いに応じない場合、督促状が届きます。そこには、以下のような内容が記載されています。
「家宅捜索の権利を有した捜査官が、いつでも君の家に入れる準備があるから、もし君の家にテレビがあるなら受信料を払っておきなさい」
日本のNHKがまだかわいく思えてくるレベルです。
それでも放送の質は高い
BBCの放送は客観性があり、良質なコンテンツを生み出しています。
少なくともアメリカやNHKの放送局よりも客観的で良質なのは事実です。特にドキュメンタリーに関しては、世界的なメディアと言っても過言ではありません。
ただし、多くのイギリス国民は、自国の公共放送が相対的に良質であることを理解していません。
これに関しては、日本人が海外に住んだ途端、日本食が恋しくなるのと同じだと思います。イギリス人も、海外に住んではじめて、BBCが客観的な放送局だったんだと理解するのかもしれません。
BBCの受信料が廃止されるかも?
英政府のナディーン・ドレス文化相によると、BBCの受信料制度を廃止する方針とのことです。
This licence fee announcement will be the last. The days of the elderly being threatened with prison sentences and bailiffs knocking on doors, are over.
Time now to discuss and debate new ways of funding, supporting and selling great British content. https://t.co/sXtK25q27H
— Nadine Dorries (@NadineDorries) January 16, 2022
理由としては、世界を代表するメディアとして、いまだに受信料制度(強制)を適用しているのは時代遅れだからです。
しかし、この考えには賛同する人々と、「BBCというイギリスの国宝を破壊しようとしている」と批判する人々がいます。
また、ドレス文化相はBBC受信料を2年間変更しないことを発表しています。
年間受信料である159ポンドは、2024年まで変更されません。
まとめ
日本でもイギリスでも、やはり強制徴収という点が気に入らず、公共放送が嫌いな人が多いということが分かりました。
現代はNetflixやPrime Videoを筆頭に、映像のサブスクリプションが受け入れられていますが、公共放送は強制徴収であるため、見たくない人も金を払わなくてはなりません。
そこがサブスクリプションと公共放送の大きな違いです。
今後、公共放送は続けていくべきなのか、はたまた廃業に追いやられるのか、私たちで決めましょう。