2021年7月現在、猛烈な熱波がカナダとアメリカの一部を襲っています。
気温は50℃近くまで上がり、危険な温度のせいで、何百人もの人々が亡くなりました。
主に気温が著しく上昇しているのは、カナダ西部とアメリカ西海岸の北部です。
そこでなにが起こっているのか、以下にまとめました。
アメリカとカナダの熱波について
カナダ
カナダは観測史上、最も気温が高い日を最近経験しました。
ブリティッシュ・コロンビア州のリットンという村では、49.6℃を記録したそうです。本当にカナダの気温かと疑いたくなる程ですね。
この高温によって、リットンでは山火事が発生し、村の90%の森林が消失しました。
アメリカ
アメリカの北西部でも過去最高を記録し、多くの死者が出ています。
雨の多い都市として有名なポートランドは、3日連続で過去最高の気温を更新しました。
アメリカ国立気象局によると、ポートランド国際空港の気温は、42.2℃、44.4℃、46.1℃と、日を追うごとに温度が上昇したそうです。
ワシントン州とオレゴン州で発生した数十人の死者は、熱波が関連していると考えられています。
現地の人はどんな影響を受けたのか?
灼熱の気温により、多くの持病持ち、高齢者などの人々が猛暑に苦しんでいます。
先程ご紹介した地域の気候は一般的に温暖で、多くの人の家には、エアコンが設置されていません。これは、今回の熱波による死者がでた原因の一つでしょう。
多くの人が、空調のある避難所に避難することを余儀なくされています。そこでは、仕事や睡眠ができるよう整備されています。
緑豊かな農村地域よりも、多くの熱を吸収する都市に住む人々は、より大きい高温の影響を受けています。
以下は実際の被害の様子です。
熱が非常に強かったので、道路が割れました。
Here's a look at the work happening on SR 544, milepost 7 near Everson. Crews are working on repairs and have the highway closed at this time. pic.twitter.com/7buT2X0YRa
— WSDOT North (@wsdot_north) June 28, 2021
バンクーバーでは、日陰に駐車していたのにも関わらず、車の窓にヒビが入って溶けたという被害がありました。
また、COVID-19のワクチンの接種センターは、熱波によって閉鎖や移転を余儀なくされました。学校は当然休校し、いくつかの公共交通機関は停止しました。
そして、冷却に関する商品が次々と売り切れました。例えば、エアコン、扇風機、氷、ミネラルウォーターなどです。
なにが原因なのか?
今回の持続的な高温は、「ヒートドーム」と呼ばれるものによって引き起こされました。
暖かい空気の山が、広大な範囲にふたをしています。
閉じ込められた高気圧みたいなものです。熱い空気が循環することで、更に熱くなるのです。
更に熱くなる理由は、熱い空気が地表に押し戻されることによって、圧縮され、密度が高くなるからです。
専門家は、気候変動が今回のような異常気象の頻度を増加させる原因になると言います。しかし、今回の異常気象が地球温暖化と直接関係しているかどうかは、判断するのが難しいでしょう。