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愚策の高速道路:M1のLutonで渋滞が起こる原因

EUROPE

UKの高速道路の欠陥として真っ先に思いつくのはBirmingham北東部のM6が混雑することですが、もう一つ象徴的な問題があります。それがM1を走っているとLutonに近づくにつれて車が思うように進まなくなることです。前方に遅い車がいれば速く走れないのは当然ですが、この場合はM1を走るドライバーの責任というよりも、道路の欠陥と言ったほうが正しいでしょう。

まずは渋滞の中心になることが多い “Pepperstock Interchange” をよく調べ、そこで何が起きているのか見てみましょう。

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Lutonと渋滞の関連

Londonから55kmほど離れた場所にあるLutonは約22万人の人口を抱える中規模の街です。このような規模の街ではLondonやManchesterにあるような環状高速道路をつくる必要はありません。LutonからM1に接続するインターチェンジは3つありますが、それぞれが分散しているため、Lutonの中心部からM1へのアクセスは良好のように見えます。

問題の “Pepperstock Interchange” を見てみましょう。Lutonの南西部にあるこのインターチェンジは市街地から少し離れた郊外に位置しています。M1と接続するA1081はいくつかの十分な大きさのラウンドアバウトのおかげで酷い渋滞を起こす原因の道路ではないことを証明しています。

A1081から北へ向かうトラフィックとM1の南からLutonの市街地に進むトラフィックがラウンドアバウト上で交錯する問題がありますが、トランペット型インターチェンジにするほどの交通量はありません。より多くの交通量に対応するためのスペースは十分に残されていますが、ここだけがLutonで唯一のインターチェンジではなく、これ以上は人口規模に対して過剰な道路網になります。

ではLutonとM1の渋滞が関係していないとしたら、一体何が問題なんでしょう?

悪名高き “Smart Motorway”

Lutonは何も悪くないのにも関わらず、なぜか周辺のM1で渋滞が発生するのは “Smart Motorway” が原因です。賢い高速道路のはずなのに渋滞が発生するなんて皮肉ですね。

Smart Motorwayは2006年に正式に始まったUKの交通管理技術です。目的は国民の移動時間を短縮し、より予測しやすい移動時間になるようにすること。他には交通事故を減少し安全性を高くすることを含めた様々な意図があります。

可変速度制限

Smart Motorwayでは可変速度制限があります。これは高速道路の交通量に応じて速度制限が変わるということです。UKの高速道路では乗用車の最高速度が70mphに制限されていることが多いですが、交通量が多い時間のSmart Motorwayでは全ての車線が60mph以下に制限されることがあります。

Luton近くのM1も例外ではありません。道路上には頻繁にモニターが設置され、混雑時にはドライバーに速度制限を自覚させる案内がはっきりと表示されます。前方に故障車がある場合は該当する車線が使用禁止になります。案内には “X” と表示され、これを無視するドライバーは強化されたスピードカメラによって罰せられます。

Smart Motorwayの渋滞生産

少し複雑なシステムに困惑したドライバーが不自然な走りを披露することで、M1は混沌に包まれます。交通量が非常に多いと40mphまで速度が低下します。そのような状況に苛立つドライバーが車間距離を縮めることによりブレーキが増え、さらなる渋滞を生み出します。

UKのスピードカメラは厳格なことで知られており、速度制限に対して10% + 2mphの許容範囲が設けられています。つまり40mphの速度制限の場合は46mphまでのみ許容されます。特に政府から収入源として見られているSmart Motorwayでは速度制限を無視することはリスクが高く、違反する価値は全くありません。

実際にはドライバーの多くがストレスを感じています。普通の高速道路よりも注意を払う必要がありますし、可変速度制限によって焦るドライバーと慎重派のドライバーがお互いを非難し合うからです。

改善するにはどうするべき?

嬉しいことに、UK政府は新たにSmart Motorwayを建設しないことを発表しました。しかし既存のSmart Motorwayについては元に戻す計画はありません。20年近く続いた大規模な計画だったため、現在運用されているSmart Motorwayを全面的に改修するには国家予算のパイチャートで目立つほどの費用と一匹の健康的な豚が生まれて死ぬまでの時間を要します。

現実的な改善策としては、渋滞が慢性的に起こる場所のみを改修することでしょう。とはいえLuton周辺のM1の場合はすでに4車線化しています。これ以上の車線拡張は効果的ではありません。Lutonを通過するM1の交通量を減少させるなら、いくつかの方法があります。

LondonからBirminghamまで行きたい場合、M1の他にM40があります。SheffieldやLeedsに行きたい場合もM1を通らずにA1(M)を利用することができます。必ずしもM1を通る必要がないドライバーが他の道路を利用することでLuton周辺のM1の交通量は減少します。

あとがき:速度制限は渋滞を緩和させない

Smart Motorwayの可変速度制限は高速道路の安全に貢献するかもしれないという予測のもとに構築されました。前方で起こったアクシデントを感知して事前にそこを通過するドライバーに危険を知らせることができるからです。しかし実際にSmart Motorwayを走るドライバーが可変速度制限に忠実かどうかは疑問に思います。UKで発売されている車のナビはどのスピードカメラが本物であるかどうか熟知しており、ドライバーはそれに応じて速度制限を無視することができます。

前方のアクシデントによる50mphの速度制限が設けられていたとして、そこには忠実に守るドライバーと70mph以上で走り去るドライバーがいます。そのような状況は信じがたいほど危険であり、渋滞や深刻な事故の発生を助けるでしょう。高速道路上で速度差がある車同士が走っていたとしても、十分な車線と車間距離があれば渋滞は発生しません。ところが交通量の多いM1のような高速道路ではラッシュアワーに必ず速い車が遅い車に引っかかります。

速度制限が渋滞の緩和と人々の安全に貢献するのはスピードカメラが100ydおきに設置されている場合のみです。言うまでもありませんがスピードカメラは多額の費用を要します。設置しすぎると違反者が減るため、新しいスピードカメラを設置して維持する予算がなくなります。このジレンマによってSmart Motorwayは理論的な予測を裏切り、UKで最も危険な高速道路区間として非難されているのです。