野球は球場によって大きさが異なり、ホームランが出やすい球場とそうでない球場があります。もちろんフットボールのピッチも大きさが異なれば影響を及ぼすでしょう。そこで、もし優位性を得るためにフットボールのピッチを好きなように調整できたとしたら?
巨体のプレイヤーが多く所属するチームがピッチを狭くし、スペースを潰しにかかるかもしれません。あるいは、スプリントに強いプレイヤーが多く所属するチームがピッチを広くし、スペースを有効に活用するかもしれません。
このように、ピッチの広さでホームの試合を有利にできる戦略の自由をチームに与えるのはとても興味深いです。しかし退屈なことに、それを阻止するルールが存在します。
英国のプレミアリーグに興味がありますか?
公式にテレビの大画面で試合を視聴できるサービスは、日本国内だと以下の2つに限られます。フットボールの試合は大画面で観てこそ、快適な視聴環境が実現できます。
上記のサービスを利用し、テレビで簡単に視聴するにはアプリが必要です。最新のテレビには標準で搭載されていますが、ない場合は「Fire TV Stick」や「Chromecast」を使用することで解決します。
フットボールピッチの大きさは違う?
上記で述べたようにチームの自由を制限するルールがあるとはいえ、工業規格のように厳密ではなく、ある程度の自由が認められています。イングランドフットボールでは、フットボール協会(FA)のルールブックに従って、次のように決められています。
- ピッチの長さ:90m – 120m
- ピッチの幅:45m – 90m
90m × 45m のピッチと 120m × 90m のピッチを比べると奇妙な違和感を覚えるかもしれません。ここで重要なことが一つあります。それは、ペナルティエリアとセンターサークルは微調整できないことです。この制約があるため、極端なピッチにするとバランスが壊れます。
プロフットボールの一部のリーグやコンペティションでは、ピッチのサイズが上記で述べた一般的な規定よりも厳しく設けられています。プレミアリーグはピッチが 100m × 65m から 105m × 70m の範囲に収まるように指定しています。しかし、一般的にはFAが指定する範囲であれば合法なフットボールピッチになります。
EUROやChampions Leagueなどの国際トーナメントの場合は、1mの違いも許容されません。105m × 68m を1mでも上回ったり下回ったりすれば、そのスタジアムでは開催できません。この頑固で厳密なルールがしばしば論争の種になることがあります。
プレミアリーグで有名な2つのチームを比べてみると、Anfieldは少し特殊なピッチサイズであることがわかります。わずか4mの差で国際トーナメントの開催候補から除外される可能性があります。
Etihad Stadium (Manchester City) :
105m × 68m
Anfield (Liverpool) :
101m × 68m
完全な人工芝のピッチはプレミアリーグで合法?
1980年代に人工芝のピッチへの置き換えが短期間で行われました。イングランドは北欧やロシアほどでないにしろ、積雪や霜が芝生を襲うことがあるため、人工芝が期待されたのです。しかし、1995年にFAが発表したルール変更によって人工芝はもれなく禁止になりました。
人工芝のピッチはヨーロッパ全体で禁止されているわけではありません。そのため、国際試合だとしても、芝生がすぐに凍りついてしまう極寒の国では人工芝で開催されてきました。
2009年に行われたUEFA Cupの試合では、CSKA Moscowのホーム、人工芝で覆われたLuzhniki Stadiumにて行われました。対戦相手であるAston Villaの監督、Martin O’Neillは「人工芝はロシアのクラブにとって大きなアドバンテージをもたらす。決してフェアではない」と人工芝で試合を開催することを許可したUEFAに不満を募らせました。
なお、この試合は 2-0 でCSKA Moscowが勝利しました。